秘密のお茶会。

4/5
前へ
/64ページ
次へ
「押し付けるのはよくない。」 いつのまにか、翼を持たない人が立っていた。 柔らかな髪は風になびいて、一瞬翼が見えた。 シルバァの煙管をもつ天使は、木陰に場所を空けると、 「見つかったのかい?」 腰を下ろしながら、人は首をふる。 「近づいては遠退く。」 「翼を捨てる価値はあったのか?」 天使はお茶を飲みながら、少しあわれむような視線をむける。 「ああ。彼女の声は聞こえるんだ。」 清々しく人は答えた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加