出会い

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次の授業は日本史だった。 年輩の教師が白髪頭で教壇に立つのを、生徒たちははらはらと見守っていた。 ‥ように見えた。 出席番号順で並んだ新入生を見て、おじいちゃん先生は嬉しそうに笑うと、言った。 「えぇ、高校の内にできた最高の友達って言うのはですね、その人の生涯の友人になるわけですね、うん」 まるで独り言のような呟きに、あたしはちらりとあやを見た。 そういえばさっき、あの悪魔が、あやが誰かと居るのは珍しいとか言ってたよなぁ‥ 出席確認のために名前の点呼をするおじいちゃん先生。 「えぇ‥田口、陽介」 「はぁい」 「んん‥成瀬‥誠」 「はい」 凛としたよく透る声に、心臓が跳ねた。 恐る恐る、あたしは悪魔を見る。 悪魔は、頬杖をつきながら綺麗な薄い唇を舐めた。 そして、思い出したようにポケットを漁ると、そこからリップを取り出した。 少し眠そうにしながらその唇にリップを塗る男の人が、綺麗だと思ったあたしは変態だろうか‥。
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