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「ちょっとした周りの嫉妬だよ。それが膨らんでいっただけだよ」
体育館は、少し寒かった。
係りの生徒が整列させる中、あたしたちは順番も関係なく、自分のクラスの列に適当に並んだ。
「麗音、彼氏とか居なかったの?」
「彼氏~?」
「そ。いたらさ、まだよかったかもね」
いなかったんだ、とあやは首を傾げた。
「麗音可愛いのに。男共はなにやってたんだか」
あやはため息をつくと少し遠い眼をした。
「そーいう彩子さんはどうなのさ。」
「私?」
「そ。気になるな、あやの恋愛事情」
「なにそれ」
あやは切なく笑った。
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