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そうだ。
さっきのだって、あたしはこいつに酔わされてたんだ。
今だって、
「しょうがなくね」
「は‥」
「触りたいんだもん、」
言葉の最後は吐息に紛れた。
また重なっても、あたしの中に新たな矛盾として増えるだけ。
こいつはなにを考えてるの?
あたしからすればからかわれているだけに思えて仕方ないのに、なにを求めてるの。
「レオ、‥」
どうしてそんなに、切なそうに名前を呼ぶのかわからない。
どこかで聞こえる悲痛な叫びに、あたしは目を閉じた。
まだ、酔ってるのかもしれない。
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