~第四章~ 全力疾走

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病院を出て、支払いを済ませた財布を開いてため息を付く、保険証が無かった為、診察料が高額になってしまった。 取り敢えず今は財布の中のお金で生活しなければならないとゆうのにこの出費は痛い。 銀行のカードが財布に入っていたが、口座にお金が入っているとは限らないし、なにより暗証番号が分からない。 後日、必ず保険証を探して払い戻しをしてもらおう、そう心に決めて歩き出した。 歩きながら携帯で時間を見ると時間は1時半を過ぎていた。 どうりで腹が減っているわけだ。 忘れていた、バイトは2時からだった。 腹が減ったとか言ってる場合じゃあない。 このままだと2日続けて遅刻ということになる。 慌ててタクシーを探すが、来る時はすぐに捕まったタクシーが今は捕まらない。 もう一度、時間を確認して頭の中に星野屋までの地図を描いてみる。 今から全力で走れば間に合うかもしれない。 タクシーを捕まえるにしろ、走って行くにしろ星野屋に近い方が早く着くのは同じだ。 そう思い、星野屋に向かって走り出した。 思ったより速く走れた、これならタクシーを探す必要はないだろう。
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