~第一章~ 五里霧中

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部屋の中に座り考えてみた。 何もわからなかった状態からは脱しつつある。 まず、自分の名前は佐賀下 良治。今、自分が居る場所、どうやら自分が生活している場所、つまりは自宅らしいということ。 ここまでは何とか分かった。 しかし、何故、自分の記憶がすべてなくなっているのは判らない。 これだとまるで自分は普通の日常の中で何気なく記憶を失ってしまったかのようではないか。 どういうことなのだろう。分かる事が少なすぎて判断することが出来ない。 今、この状態で出来る事は……と目の前の携帯電話に目が止まった。誰かに電話をかけてみるか?誰に?そう思いながらも他に宛てもなく携帯電話に手を伸ばす。
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