16人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
遠い記憶…
「ねぇ!何故、俺は貴女の彼氏なの?」
「え!神様が決めたみたいよ」
悪戯っぽく笑う彼女…
「なんで神様さ、貴女と俺に組み合わせしたのかなぁ…?」
「ん?私じゃ不服なの?」
「どうかなぁ…」
お返しに笑って見る…
「じゃあさ、なんで私は君の彼女なの?」
「神様が決めたんだ」
「何故、神様がそう決めたの?」
そっと彼女は俺を抱き寄せる…
あの日と変わらない優しい感覚…
「やっと逢えたな…とにかく俺は生きて来たよ、過去を作ってきた…色々有ったけど全部良しも悪しも過去さ…」
「じゃ、これからの君の時間はずっと一緒なの?」
「不服か?」
「私、ずっと待ってた…いつも君の事守ってたのよ…気付いてた?」
「あぁ…感謝してるよ。待たせたな」
「ばか…遅すぎるょ…」
「これは夢…かな?」
「なら、いい夢よ…頑張って来た君に神様からのプレゼントだから…ほんの少しだけでいいからって私がお願いしたのよ」
「そか…目覚めたらまた俺は現世に戻るのか…」
「いいからもう少し眠って…君はいつも私の膝で休んでた…」
「やっぱり夢か…」
「だからぁ…良い夢だって…私は君だけを…」
「なに…?」
「今も愛してるのよ…」
「俺もさ…」
「判ってるわよ…そんな事…」
「それだけ聞ければ充分さ…もう少しこのままで…」
「ずっとよ…私は君が好き…」
俺は彼女を抱き締める事なくまた眠りに落ちる…
いつもの彼女の膝枕で…
巡り、巡りて今ここに…
俺はまだ微睡んでる…
覚めない夢を願って…
なんて静かなんだろう…
とても暖かい…
それは陽だまりのせいなんかじゃない
貴女のぬくもりのせい…
俺だけが知ってて…
俺だけのもの…
このまま………ずっと…
最初のコメントを投稿しよう!