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それを優しげに見守り、こっそりと呟く。
「ああ、俺っちたちの守る世界には、こんなにも愛しい者が生きているんだね~。」
空を見上げればいつもと変わらぬ星空が広がる。
けれど感じる侵略者の気配は近づいていた。
「こりゃあ、負ける訳にはいかないな~。負けるつもりもないけどさ~。」
アーロットは不敵に笑った。
小さな埃っぽい部屋でファライルはリネの作り出した結界もどきに触れていた。
侵略者の気のみを破壊する壁のため、手に害は無い。
(わたしはここで何をしているのかしら?)
負の気を感じる。
先程、緊急連絡がフォーリス内に響いた。
魔性の者よりも強い侵略者が襲ってくると。
詳細は総隊長から各部隊長に伝えられるということだった。
おそらく、このざわつきは詳細が末端にまで伝えられたのだろう。
「キースは行かなくて良いの?」
少し言いにくそうに尋ねる。
隊長であるリツに刃向かわせたのは自分だ。
目の前で胡座(あぐら)をかくキースは気にした様子もなくひらひらと小さな紙を振る。
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