第十三章

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「俺らのとこ召集掛からないんだよね。隊長どうかしたのかな?」 「大丈夫なの?」 「さっき見たし、副隊長が探してるだろうから、まあ、心配要らないって。」 へらりと緊張感の無い笑みを浮かべる。 「ま、説明されなくても俺は事情を知ってる訳だし、戦いが始まっても召集掛からなけりゃ、どっかの部隊にでも混じるさ。」 「そう……。」 ファライルは薄く微笑むと、やはりキースには見えない壁が気になるようで、見上げて手を添える。 (侵略者はわたしたちの仕事なのに。) キースに戦いに出る覚悟が有ることを聞いてファライルは目を曇らせる。 (わたしはこんなところで守られてても良いの?) 自問を繰り返す。 既に答えの分かりきった質問だ。考えるまでもない。 突如、けたたましい警報が鳴り響く。 「来た、かな?」 外にいる人々の負の気が膨れ上がる。 壁に阻まれているため、侵略者の気配は分からない。 「ん。じゃあ行くから。またね。」 キースは立ち上がり、手をひらひらと振る。 ファライルもそれに小さく手を振った。
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