第十四章

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ざわざわと鳥肌の立つほどの魔力にフォーリス全体が騒然となっていた。 侵略者と呼ばれる、姿形は魔性の者と変わりないそれらは、どす黒い冷気を携え、いつぞやのようにフォーリス上空に出現した。 「けっこー早かったな~。リネ・スニエは何をやっているんだか。」 アーロットはぎらつく目で現れた侵略者を見据える。 出てきたのは今の所、二体。 一体は巨大な円盤状の体に裏も表も小さな目がびっしりとついている。 「確かに不気味だけど、なんか微妙ね。強そうに見えないわ。」 エクリーンの感想にアーロットも頷く。 もう一体は一つ目の四足動物の形をしていた。ごつごつとした岩のような皮膚に覆われ、耳に当たる部分から先の尖ったロープのようなものが伸びていた。 「それで俺達は何をしたら良い!?」 大白鳥第二部隊の隊長が大声で聞いてくる。 「俺っちが奴らの力を変質させる! ここまで突破してきた奴らだし、どこまで効くか分からないけどさ~、魔性の者の強さにまで落とそうと思ってるから。後はいつも通り立ち回って~!」
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