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「まあまあ、生真面目なエルフォード君、真面目に隊長とエクリーンの相手をしちゃ駄目よ。あの歩く隊則ガンロット有翼獅子第二部隊隊長がサジを投げた親子なんだから。」
「そうそう、疲れるだけだぞ。」
「二人とも随分ね。本人いる前で。」
「あら、エクリーン。何か不服でも?」
「いいえぇ。お褒めに頂き光栄だわ。」
地上の凄惨さとは裏腹に楽しげな談笑が響く空。
彼らは天空都市フォーリスに住む者たちである。
彼らに国はなく、その絶壁の岩肌に削られた街こそ彼等の国のようなものである。彼らは他の国から依頼を受け、賊や魔性の者の討伐を行い、生計を立てている。
その性格はひたすら己が正義の為に戦い、己の信念を貫く。言い換えれば、超自己中心集団である。
今日もこの草原近くにある街から被害報告を受けたルシエという小国からの盗賊討伐依頼だった。
この部隊は大白鳥第一部隊。別名、問題児隊。隊則守らないわ、加減を知らないわで、役には立つのだが、彼らの通った後には死屍累々。近隣からの苦情が殺到する。
今回の現場もおそらくルシエからの苦情がフォーリスに入ることだろう。
地は黒々と焼け、クレーターを描き、石は溶けて隣同士が融合し、所々うっすらとオレンジ色に輝いていた。周りの木々も爆風の煽(あお)りを受けてクレーターと反対側になぎ倒され、一部炎上、一部炭化が見受けられた。
盗賊たちの屍は原型を留めていないほど崩れ去っていた。死体処理を受け持つ隊は大変である。
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