第二章

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蝋人形のように固まっていた顔は、崩れて暖かみのあるものへと変わる。目を細めたデルアは立ち上がった。 「そう願っているよ。さて、そろそろ君の目的地に行くとしよう。ファラを一人で歩かせるとティーンが煩いからね。部屋まで送るよ。」 先程の会話が嘘のような態度で、デルアは手を差し延べる。そして、ファラも躊躇(ちゅうちょ)することなくその手を取った。 「それにしても、デルアはこんなにエクリーンを大切に想っているのに、エクリーンは全然気付いてないよね?」 「そうなんだよね。エクリーンはどうもそっち方面には鈍いみたいで。」 「そっち? よく分からないけど頑張って。」 「ありがとう。まあ、気長にいくよ。」 二人は仲良く話に花を咲かせながら購買部に油を買いに行った。
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