今しかない。

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病室にはいるといつもの勇樹がいた。頭には包帯を巻いていたけれど、いつもの勇樹の笑顔が、そこにはあった。 陽菜「ゆうきぃ…陽菜勇樹が…」 そう泣きながら勇樹の胸にすっぽりと収まった。泣きじゃくって、初めて神様の存在を信じた。 それとね。 記憶を失っていた。 一番大切なはずの記憶。だけど、それはなくって… だから、私。 これがチャンスだって思った。 最後のチャンスだって。 それがあったから、 神様を余計に信じようと思ったんだ… 助けてくれたこと 記憶を失ったこと それは… 幸せを欲しがる私のわがままを 神様が少し ほんの少しの気まぐれな優しさでくれたんだって思う。
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