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「気持ちは分かるさ」
友安が言った。しかし河野は無言だ。
「お前、もう死にたい。とか思ってないよな?」
河野は否定しない。友安はやれやれと右手で頭を抱えた。
自分達が有村にしたことは、本人を楽にさせたいがゆえの行動だったが、一つの痛い真実が導き出される。
有村に命取りになる傷を与えたのは一介の死者だが、死にやったのは自分達だ。
それが有村が望んでいたことだとしても仲間として許されるものではないだろう。
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