プロローグ

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その隙をついて若い男はバタフライナイフをも忘れて振り返ってその場から離れようとした。 その時 ヒュン、と風を切る音。 一瞬遅れ、ともに少なく追いやられた生存者である彼の命は絶たれた。 どこからか飛んで来た手製のヤリが彼の頭部に命中。先端にガムテープで結ばれた刃が彼の大脳を貫いて動きを止めていた。 「悪く思うな。だが我らの責任ではない。自分を恨むのだな」 通りから黒装束の男が現れた。 気付けば隣の闇からもう一人現れ、更に一人現れる。 男達は死んだ若者の額に足をついてヤリを無理矢理引き抜くなり、生存者を探し求めて再び闇の中に消え去った。
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