play④歩き出す者、送る者

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  そんな小さな恨みを噛み殺すように、ワッフルは話題を変えた。   「つか、リィスって? お前リスって呼んでくれって言ってなかったか?」     その問いにリスティルは口の中にある果物を忙しく飲み込むと、答えた。   「うん!でもティナちゃんがティナちゃんだから、アタシもリスじゃなくてリィスにしたの!」     … うん、よくわからん。   とりあえず名前のイントネーションを似せたかったってことだろうか。     当のリスティルはどこか満足げで、ティナはニコニコと微笑んでいる。     そんな会話をしているうちに、片付けを終えたリンダが静かに立ち上がった。   「では、私はこれで失礼いたします。」   そう言うと、ワッフル達に丁寧に一礼する。   「え~!!」   その瞬間、リスティルが椅子から立ち上がりリンダに駆け寄った。   「リンダもゆっくりしてってよ~!」   …だからここは俺の部屋だと。 まぁ別にいいけど。     「申し訳ありません。まだ仕事がありますので。」   リンダはそう言って優しく微笑むと、リスティルの髪をそっと撫でた。   (…やっぱこの二人、親子みたいだな。)     微笑ましい光景をパンをかじりながら見つめるワッフル。   もはや自分がなぜこの城にいるのか、忘れつつある時だった。
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