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執務室。
ワッフルに与えた客室と同等ほどの広さの部屋に、木製のシンプルながらも質のいい本棚が並ぶ。
同じくシンプルな机と椅子は大きな窓の前に配置され、腰掛けると背中に朝日を受けるような形になる。
本棚には分厚い本や首都ラルティアにおける情報書などが大量に納められている…
にも関わらず机や床の上には未処理の書類がところ狭しと積み上げられ、仕事の忙しさを物語っていた。
そんな中ディードはある一枚の羊皮紙と格闘していた。
そこには精巧な地図と大量の文字が書かれており、どうやらどこかの地理情報のようだ。
それをディードが机の上に置くのと、勢いよくドアが開かれるのはほぼ同時であった。
「ディード様!おまたせ~!」
「リ…リィスさん。ノックくらい…」
そこからは元気爆発のリスティルと、申し訳無さそうにオロオロするティナ。
そして未だどこか眠そうにしているワッフルが入ってきた。
「いいんですよ、ティナさん。貴女方との会談は最優先事項としてありますので。」
最高の営業スマイル(ワッフル命名)で言うディード。
「どうでもいいけど、今日はスグ本題に入ってくれよ?」
前回の経験もあってか、ワッフルは視線と言葉で釘を刺す。
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