音で世界を"視る"盲目少年

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彼を知る人は皆、彼が盲目であることなどまるで信じられないという。 毎日友人らと共に外で遊び、キックボールやスケートボードを楽しむベンの姿は、確かに、その年頃の普通の子供たちと何ら変わることがないからである。 ただ一点、その間中、ベンが常に舌打ちをし続けているという点を除いて。 ベンは2歳の時、網膜ガンに侵され、両目を摘出して視力を失った(現在、彼は両目に義眼を入れている)。 しかしその後、ベンは失われた視力を補うべく、ある特異な能力を身に付けた。 それは継続的に舌打ちをし、口から発する音のエコー(反響音)によって、まるで世界を視るように物体の外形や距離を掴むというものである。 まるで指ならしのように大きな音を立てるその舌打ちを通じて、ベンは周囲の物体の特質さえ掴む事が出来るという。 例えばエコーが柔らかい場合は金属質の物体、深みがある場合は木質の物体、鋭い場合はガラス質の物体というようにである。 そして更にその音の大小により、物体までの距離をほぼ正確に把握するのだ。
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