音で世界を"視る"盲目少年

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「人はいつも、僕に君は孤独かと聞いてきますが、全くそんなことは感じません。 いつも誰かが側にいますし、携帯電話で友達と話すことだって出来るんです。 目で見えないからといって、目が見える人と、大きな違いはないんです。」 ベンに初めて点字を教えた教師、バーバラ・ハッセ氏は、ベンが視力を持っていた二歳頃までの視覚情報が、その後"物理的世界の地図"を形成するのに役立ったと分析している。 そしてまた、ベンの成長を支えたのは他でもない彼の家族であるという(彼には三人の兄弟がいるが、父親は2002年に亡くなっている) 「家族がみんなで彼に色々と教えてあげたんです。例えば服を着るときにはまず服の右側の縫い目を探してそこに腕を入れるというようにです。」 母親のアクアネッタは語る。「でも決して過保護にし過ぎないように注意してきました。」 そしてアクアネッタは自身の教育哲学に基づき、ベンを普通の学校へ進学させた。 そこでは専門家が彼にアドバイスをし、例えばクラスメイトが彼の目の前に手をかざしてふざけたり、食べ物をくすねたりといったようないたずらするならば、決して相手にしないことを教えたという。
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