迷子

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迷子

自殺だった 一昨年の今日 卒業式にこの場所で先輩は命を終わらした その日、ぼくが一人死んだ 先輩から見た、ぼく 先輩の中で生きてた、ぼく 僕にとっては心中だった でも生きている僕 求められたのは、哀れさと哀しみ 無条件に与えられる、同情と優しさ 誰も分かってない 先輩が、くだらない確信で、自分の人生を終焉させただけの事 先輩の人生まで、僕は欲しいと思わない 人が生きて死んだ事の、何を悲しめばいいのか ただ ぼくが泣いてる気がして 僕は、いつも、ぼくを、探していた 僕の卒業式 先輩が死んだ日 やはり僕はぼくに逢えなかった 本当に、連れて行かれたのだろうか 声に気がつき振り向くと、友人が心配そうに見ている 卒業のカーネーションを地面に 捧げられたカーネーションは、連れて行かれたぼくにではなく 置いて行かれた、僕への献花なのかもしれない
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