客の無い薬局

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  コト…   「こちらでございます。」     店員が置いたのは、何もプリントされてない、真っ白な箱。     冬「……あのー、  これどこのメーカー…」 「こちらは私が調合した  目薬でございます。」 冬「え?貴方が?」     店員は箱を開けて、中身を取り出した。確かに一般的な目薬に見える。無色透明な液体がケースの中で揺れる。     「私自身で試しましたが、  効果はあると思いますよ。」 冬「はぁ…;」 「今回は試供品として、  とりあえず使ってみて下さい。  もし効果が現れなかったり  なにか症状が出た場合は  すぐに問い合わせ下さい。」 冬「はぁ…;」     冬椰は目薬が入った紙袋を、神秘的とも言える笑みを浮かべた店員から手渡された。     冬「………」 「ありがとうございました。」
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