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由衣の打ち明け話があったその日に
俺等は市販の妊娠検査を買ってきて
由衣が妊娠しているかを調べた
結果は陽性!
出来てる!!
俺 パパになるんか!?
今にも騒ぎたいいきおいだった
そんな横で
由衣は困った表情を浮かべ
ソワソワしていた
俺はあまりにも嬉しくて
そんな由衣にちょっとばかし気付いてやれなかったがな
気付いたのは
由衣のかすかな声が耳に入ったときだった
「っ……ぇん…」
振り向くと
そこには声を殺しながら
涙を流してる由衣が居た
『…っ!!!由衣!?どうした?』
由衣は首を横にふるだけだった
『由衣?そんなに俺との子どもが嫌か…』
少しためらい気味に
俺は思ってることを口にした
由衣はそれを聞いた瞬間
俺を見上げた
由衣の潤んだ瞳は
いつも以上に大きく輝いて見えた
『由衣?』
由衣は口ごもりながら
俺に答えた
「やて…困るやろ?…一貴…困るやろ?ウチ子どもできてしもたんやで?一貴はまだまだしたいことあるんやないん?やのに…」
…なにをゆうか……
ほんま由衣だけは
『由衣はいつまでたっても阿呆やなっ』
「へ?」
『俺は由衣といつか結婚したいって前からおもっとった。それがはやまっただけじゃん』
そう笑顔でゆうと
今まで泣きそうになってた由衣の顔が急に笑顔になって
俺に飛び付いてきた
「絶対!?絶対だよ!!ウチもぉめっちゃ幸せ!!!ウチ宇宙一幸せもんやぁ~」
『あぁ』
その時はただ幸せだった
これで由衣と一つになれるって
もぉ絶対はなさんって思ってた
誰にも
何にも
由衣は渡さんって…
由衣…
由衣の暖かい手を握り締めた
あの時の由衣の笑顔…
俺…一生忘れないよ
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