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付き合って3ヶ月したころ
由衣の誕生日があった
俺はそれまで
女の誕生日なんか 興味すらなかった
付き合ってようが
付き合ってまいが
俺は俺だから
人の誕生日なんか気にしたことなかった
だけど
由衣の誕生日は違ってた
由衣の誕生日が近づくにつれて
俺はソワソワしていた
女に誕生日プレゼントなんか買ったことがない…
何をあげれば由衣は喜ぶだろうか
『由衣~なんか最近欲しいものとかないんか?』
「うん?一貴が居てくれるだけでウチ幸せやけん♪欲しいものはもう手に入っとるんやもん♪」
そやって笑顔で 依ってくる
あぁ 猫みたいで可愛い…
でも結局 何をあげたらいいんだろぉ?
悩んだ据えに買ったのは
ムーンストーンのついたネックレスだった
「なになにぃ~♪一貴、ウチの誕生石しっとったの?嬉しい♪ありがとう」
知らんかったが
由衣が笑ってくれたから
なんでもよかった
今も 寝てる由衣の首もとで
ひっそりと その輝きだけは変わらないまま
ここが自分の居場所といわんばかりに
ネックレスがあった
由衣のお母さんの話では
ネックレスをとろうとすると
いつも決まって由衣の表情が曇るらしい
―由衣はよほど一貴さんのことがすきなのね―
少し寂しそうな顔で由衣の母が笑った
由衣…
それ…そんなに高くないよ?
「高い安いの問題やない。一貴がくれたけんウチはずしとぉないんや!」
そぉゆうてくれちょるような気がした…
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