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―――
―
「…―…またお前はへんなのを拾ってきて」
「…だって…お兄ちゃん…あのままじゃ可哀想だったんだも」
「……に…みつか…ら」
「…でも……」
――ヒヤッ
何か冷たいものが鈴音の頭に触れましたた
(…冷…たい…)
そっとおでこに手を当てると水で絞った布がおいてありました
鈴音はゆっくりと目を開けました
(……天…井…?ど…こ…)
頭が回らない…力もはいらない
しばらくボーとしてると知らない女の子が鈴音の顔をヒョイッと覗き顔に触れました
「気がついた?」
幼いおかっぱの女の子
髪は自分で切ったのか長さはバラバラでした
(…だ…れ?)
目に包帯を巻いており顔は分からなかったが口元で表情が分かるくらいニコニコと笑い鈴音を見ています
「ちょっと待っててね。お兄ちゃーん」
そう言い幼い女の子はぱたぱたと走って外へと出ていきました
(……一体…なにがあったの…どこ)
鈴音は混乱しながゆっくりと辺りを見渡しました
木で作られた家
いろんな所に何度も修理をしたあとが見られる
ぼやつく視界の中に椿姫が映りました
ガバッ
(椿様っ!)
「――――…っ!!」
起き上がろうとした瞬間激痛が走り鈴音は再び布団へと倒れました
「――…っ!――…っ!」
そこにいるのに手が届かない…声も出ない
(椿様―…っ!)
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