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「あ~ダメだよぅ!動いちゃ」
物音に気付きぱたぱたとさっきの少女が駆け寄ってきました
「――…っ!――っ!」
目に涙を浮かべ必死で鈴音は叫びました
しかし喉が潰れてしまった鈴音は声を出すことができません
少女はそんな一言も話さない鈴音に気付きました
「…お姉ちゃんおしゃべりできないの?」
少女は鈴音の顔にそっと両手を当てました
――コクッ
鈴音は軽く頷きました
「…あっちのお姉ちゃんが心配なの?」
―コクッ
また頷きました
「ん~…ちょっと待ってね」
少女は少し考えるような仕草をし鈴音の頭元へと駆け寄りました
「ぅんしょ、んしょっ」
「!?」
少女は一生懸命に鈴音の布団をひっぱり椿姫のもとへと近付きました
(ありがとう)
鈴音は口パクでお礼をいいましたが少女には見えていないのでそっと手を握りました
「っ!どういたしまして」
少女はニコッと笑いまた外へとかけて行きました
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