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僕は周防 武史二十五歳。
お酒の卸問屋の営業をしている。
「お疲れ様です。じゃあ今日はあがります。」
「お疲れ様。」
ありきたりな日常、それでも僕は嫌いじゃなかった。
「周防、今日は山本酒店に行ってきてくれ。」
先輩の広瀬 晃だ。彼は僕の三つ上で二十八歳、二年前に結婚して子供が一人いる。
「マジっすか!先輩が行ってくださいよ。」
僕がそう言うと広瀬が睨みつける。
「わ、わかりましたよ。行ってきますよ。」
渋々返事をした僕は山本酒店に向かう事にした。
山本酒店は夫婦で営んでいる小さなお店だ。奥さんは優しいのだが店主の五郎さんが頑固で口が悪い。だからみんな山本酒店には行きたがらない。
「はぁ」
僕はため息を吐いて車を走らせた。
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