◇それはある朝のこと

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    城は広く、華やかな雰囲気に包まれている 僕には絶対無縁な世界と思っていたが、これからお世話になることも多そうだ   僕が王に見下ろされるポジションにつくと、タイミングを図って王が喋りはじめる     「よくぞ魔王を退治するため立ち  上がってくれた!  我らを魔王ガルデメンテより救  ってくれ!」   さすがプロと言った勢いのある声   王も兵士も町民Aも、皆仕事でセリフを言っているだけである この王は、毎日武器屋の店主と将棋をやっている庶民派と聞いた 改めて思うと変な世界だ     その後も、思わずボタン連打したくなる長話を聞かされ、   「まず酒場で仲間を作るとよい」   僕は勇者としてのはじめての仕事を終えた     …こんな楽な癖に高給でいいのだろうか   とりあえず、早く酒場に向かい出発をしなければ    
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