▽魔王の日常

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料理の腕は文句なしである妻が用意したディナーも、後少しで完食である ちなみに、俺は温めを許されなかったが、温めなくても、まだほんのり温かかった やっぱりあんなの横暴だ <そういえば、覚えてる?> 文句、というか言いがかりしか吐き出さなかった口が突然開く <何が?> <結婚記念日> 覚えている 覚えているが <3月、じゅう…> 11か12か13か14か15か16か17か18だったとは間違いないのだが <もういい> <ごっめん> やはりこうなった しかし、突然結婚記念日の話題とは、プレゼントか何かの請求あたりなのかな <もうすぐ結婚して5年でしょ  お金だってあるんだし、あた  し旅行行きたいの> <あー> 意外なような、意外じゃないような 嫁は、血が通ってないんじゃねえかというくらい非道な人間だけど、所々女性らしかったりする このように、俺との夫婦愛の確かめあいについてのこだわりもその一つだ <でも覚えてないんでしょ> <いや!じゅうぅんにち> <は?> <とりあえず覚えてっから!> その事からも、俺を好きでいてくれるのはわかるのだが、 もし好きだったらその愛情がもうちょっとは日常に出て欲しい <…ふーん  じゃあ、空けててねその日> <…あー> 文句ではなかった嫁のことばだが、正直それは、文句よりもダメージがでかいものだったりした <…3月中旬は学生の職業見学  が多分あって休めな> <ごちそうさまおやすみ宜しく> <あん> 魔王に仕立てたのはあんたのくせに酷いよ
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