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サリーは、嫌味もへったくれもない、純粋に苦心に満ちた表情で俺を見た
<…何泊何日?>
<わかんない…>
更に、ため息をめちゃめちゃ大きく吐いた
これも、どう見ても演技ではない
<とりあえず、大切な時期なん
です あなた社長みたいなも
のでしょう?
頼みますから、旅行はまたに
してください>
さすがにもっともな意見だ
しかし
<……俺も、命が惜しいんだ>
俺だって大変なんだよ
サリーはため息に声が混じってきた
<……もう、別れなさいよ…>
<うーん…>
何度となく俺の家庭事情はサリーに相談してきた
毎度毎度、呆れつつも本気で心配してくれるあたり、こいつの良い奴っぷりが窺える
<ガルさんは、まだお嫁さんの
ことは好きなのですか?>
<…まあ>
<あんな嫁良いとこと言ったら
顔くらいでしょうに>
<ご飯は美味いぜ>
<………>
人生的には10年ほど年上で、バツイチでもあるサリー
まるでその口振りは母親だ
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