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だがこれで諦める訳には行かない
と言うのも、帰り際にサリーに、旅行をずらせないか聞くと宣言した手前だからだ
＜ま、まぁホラ、今日は早いだ＞
＜毎日じゃないからねえ＞
さすがの嫁の猛攻に怯みそうになるが、今こそ、殺し文句を投げかけるタイミングだ
＜お前のために頑張ったんだよ＞
＜おまえって何様？＞
しかし殺されたのは俺だった
＜いやんぁはは、違う違う＞
＜何が＞
＜ちょっと頼れる男演じたかっ
たんだって＞
＜ふーん＞
＜とりあえず、ご飯、ね？＞
＜な＞
＜ぁいはいはいお願いします！＞
進行が激しく停滞してしまった手前、俺に出来ることは目一杯のご機嫌取りだ
一瞬で殺伐としたダイニングに、食事が並べられる
美味しそうなカニグラタンだった
素直に味を楽しめる日は遠い
やはり、サリーにやっぱり無理ですってメールを打つべきだろうか
そう考えていると
＜旅行の件、大丈夫そう？＞
先手を打たれてしまった
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