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<ガルちゃんみたいな人を乱暴
に扱えるってのが、あーはわ
かんない!>
<ははっ、怒るなよ>
人の痛みがわかる人は優しい人
嫁にこの感情が生まれる日は来るのかなあ
<もう、別れた方がいいんじゃ
ない?>
<まぁ同棲してるからねー>
ちなみに、あーちゃんには嫁と結婚していることを伝えていない
何故かというと、まぁ特に理由はないのだが
俺はあくまで、ヒステリックな彼女と同棲していて大変と伝えているので、あくまで軽く話も伝えた
別れたら逆に怖いこと
魔王の地位を中途半端で降ろされる可能性もあること
普段の傍若無人っぷり
優しいのはあーちゃんだけ
あくまで軽く、だ
途中途中、あーちゃんは頬が歪んでいた
あまり明るい話のつもりではなかったのだが、何故だろう
そうして、話し込んで2時間
そろそろ帰る時間だ
<今日もたくさんありがと>
バイバイして、嫁が寝ている間に帰宅しなければならない
悲しいが所詮はキャバクラ、時間制の運命なのだ
しかし、荷物をまとめる俺にあーちゃんは
<……ねえ…>
なんと、肌を寄せてきた
そして添えられたのは、本来ありえない、驚くべきことばだった
<ほんとはいけないことだけど>
<え?>
<今夜はずっと、一緒にいたい>
囁き声のそれは、今日一番、俺の頭に大きく響いた
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