▽魔王の罪

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<えっ、ちょっとちょっと> あーちゃんは無言で俺に抱きついてきた な、な、なんだって 一線を画して付き合っている俺たちなのに、ずっと一緒にいたいってことばが意味することは、え、その、つまり、あれなわけだろうか いやいや、殺されてしまう 朝に居ないだけで、俺のこの幸せの抜け道が崩壊してしまうかもしれない 俺はあーちゃんを諭した <でも同居人が> <きっと、…あーの方がいい女  だよ…> が、いちいちこの子のことばはガツンと来てしまう 負けるな俺 頑張れ俺 本当は負けてしまいたいけど <でも、だめだろ> <エルフと人間でも大丈夫だよ> <いや、あのね> <ガルちゃん> 強く食い下がれるあーちゃん 一体どうしたって言うんだ 上目遣いがなんとも眩しい めいっぱい息を吸い込んで、儚げな顔をしたあーちゃんは言った <あー、ガルちゃんが、すき…>
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