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俺は急ぎホテルを退散した
延長料がかかるかと思いきや、起こさなかったことを責めたてたら、なんとかそこはまけてもらえた
さっきから三度目の嫁の着信に、俺は急いで電話を受ける
<ご、ごごごっめん!>
<なにしてるわけ>
今までにないような、戦慄的な声が受話器から響いた
<あの、ぁの、そそうだよ仕事>
<嘘 サリエルさんに聞いた>
まさかの情報の回り具合
死は覚悟しないといけないかもしれない
走りながらなのと、嫁の圧力に、もう一日分は疲労が回ってきた気がする
悪夢だ
悪夢としか言いようがない
<どこにいるか素直に言えば怒
らないから>
<道端>
<今迄どこかって聞いてるの!>
<ひっ>
どう考えても揺るがない激昂っぷりが耳に刺さる
<答えなさい深夜抜け出してど>
反射的に、俺は電話を切ってしまった
<………>
無我夢中で走るうちに辿り着いたのは、魔王城の門前
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