▽魔王の危機

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恐る恐る、最上階にある事務室へと俺は歩いた 途中、一般エンカウントのモンスターに見つかると嫌だったので、物凄く慎重に歩いたは歩いたが、今思うと無駄なことをした そろりと、扉を押す <魔王!> すると、勢いよくサリーの怒号が跳ね返ってきた <ごっめん> <あのね、仕事は手抜きでもい  いから、遅刻には気をつけな  さいってあれほど言ったでし  ょう?> <ごっめん> おかん口調のサリーは怖いが、 <ママのママさが爆発だァー> あったかい あぁ、この職場は良い職場だ サリーの温かみを肌で感じているうちに、俺は涙が自然と溢れてきてしまった <さりぃぃー…> <ちょ、ちょっと!泣くほどじ  ゃないでしょう> 思わず抱きつき、甘えにかかってしまうと、サリーも困った顔でよしよしとしてくれた <もー、とりあえずもう直ぐ出  前届きますから、お昼にしな  がらお話ししましょう> <うん> ぐずぐずの声で頷く俺 <二人で話しますか?> <うん> <あーもーよしよし> どことなくフェミニンさが混じる声のサリー
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