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恐る恐る、最上階にある事務室へと俺は歩いた
途中、一般エンカウントのモンスターに見つかると嫌だったので、物凄く慎重に歩いたは歩いたが、今思うと無駄なことをした
そろりと、扉を押す
<魔王!>
すると、勢いよくサリーの怒号が跳ね返ってきた
<ごっめん>
<あのね、仕事は手抜きでもい
いから、遅刻には気をつけな
さいってあれほど言ったでし
ょう?>
<ごっめん>
おかん口調のサリーは怖いが、
<ママのママさが爆発だァー>
あったかい
あぁ、この職場は良い職場だ
サリーの温かみを肌で感じているうちに、俺は涙が自然と溢れてきてしまった
<さりぃぃー…>
<ちょ、ちょっと!泣くほどじ
ゃないでしょう>
思わず抱きつき、甘えにかかってしまうと、サリーも困った顔でよしよしとしてくれた
<もー、とりあえずもう直ぐ出
前届きますから、お昼にしな
がらお話ししましょう>
<うん>
ぐずぐずの声で頷く俺
<二人で話しますか?>
<うん>
<あーもーよしよし>
どことなくフェミニンさが混じる声のサリー
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