5825人が本棚に入れています
本棚に追加
/682ページ
<どう考えても、あれは、権力
を後ろ楯にした横暴です>
普段、厳しいと言えば厳しいサリーだが、優しさが滲み過ぎていて、怒っている姿を感じられるときはほとんど無かった
しかし、今のサリーは間違いなく怒っている
<それを示唆して、奴らの立場
を、崩すのです>
<え、どうやって>
敵は、いわば絶対権力者
だから、抵抗も出来なかった
<魔王城を離れる訳にも行かな
いんだぜ?>
それも、処理班のせいで、だ
サリーは、眉間に皺を寄せて言った
<不可能に近いことは承知です>
<なら>
<それぞれの町の統制を執って
いるのは誰か、知ってますか>
サリーの瞳は、一切ぶれない
<……村長、町長、城主>
<法律と、町の士気は別です>
たぶん、当人である俺以上の覚悟がそこにあった
<全ての町に、処理班の不祥事
を伝え、"処理班は悪"という
印象を、世界の意志にします>
ぽかん、としてしまった
世界を変える
この俺が?
<あなたは、この世界における
魔王なのですから>
この俺が
最初のコメントを投稿しよう!