学校(天の襲撃・中編)

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「そ、ソル…君…が?」 「全員、怪我は?」 ローレンスは首を横にふった。 「そうか…少し待ってろ…」 ソルはレミアを腰から抜きまがまがしい魔力を上昇させた。 《あんたまさかいきなり…!》 「『悪魔化』…!」 どす黒い魔力がソルを包み込み、女子生徒は全員、先程とはくらべものにならないほどの恐怖を味わった… 白銀の髪… 漆黒の体… 長く鋭い爪… 六本の鋭い触手… つりあがった一つ目… その姿は人間には程遠い…恐怖するのも無理はなかった。 「ガァアアアァアアァ!!」 ドドドドドドドドドブッ! ソルの咆哮で空気が揺れ、空の天使達は何が起きたのかわからずに鮮血を撒き散らし地に落ちた。 「ば、ばかな…一瞬で…!」 この天使は見えていたようだ… 背中の六本の触手が天使達を切り裂いたのを… 「ガアァアアア!」 「がっ…!」 ボギィ! 目にも留まらぬスピードで最後の天使の首を握り潰した。 パキィィン… 何かが割れるような音とともにソルは人間の姿に戻った。 「ふぅ…」 《さすが神話化ね…》 ソルはレミアを再び腰に差した。 「ソルさん!」 塀を飛び越え、シエルが走ってきた。 「シエルか…状況は?」 「都への侵入はほぼ防いでいますが、今のように小数の天使が入り込んでしまっています。 相手方に大天使と思われる天使が数人、確認されているのでいい状況とは言えません…」 「そうか…こっちはアンナにミーア、シアを欠いてるからな…戦力はあちらに分があるか…シエル、こいつらをシェルタ-まで護衛しろ」 「はっ!」 ソルはシエルにそう言うと戦場へと向かった。
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