四輪駆動-4.22

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  全部が消えた後に残ったこの感情を、今はただ持て余している。 叫ぶことが楽だったと今さら気付くなんてね。もちろん違う意味でのことで。 それよりも世界はずっと悪戯なんだよと、本当にいたずらに。   依存の自覚と加護の実感は常に抱いてきたし、この不均衡を笑い飛ばすのだってわけないはず。 だからまだ白いマットは遠いんだなあって思う。   今現在海底を漂ってる自分と、空の上からそれを大事そうに抱えてる自分がいるような。 透けそうで透けないこの位置がひどく愛おしい。
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