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ある5月の昼下がり、森林公園にはゴールデンウィークということもあり家族、恋人、友人同士など沢山の人が集まっていた。
普段ならあまり人が立ち寄らないことを知っていた宮岡浩介は大事な話をするためにこの場所を選び、恋人である斉藤愛歌とこの場所にやってきた。
そう――“普段”ならこの時間には数人の母親が赤ん坊と散歩を楽しんでいる姿が見られる程度でこれほど賑わってはいない。
しかし、今はゴールデンウィークで、今日は雲ひとつない快晴である。
ウキウキした人たちが皆こぞってやってきていた。
その様子を目の当たりにした浩介は愕然としていた。
「どうする、他の場所行く?」
隣に立っていた斉藤愛歌は木漏れ日のさす景色を見つめながら浩介に声をかけた。
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