2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「ぜえっ……ぜえっ……うっ、ごはっ!」 結論から言うと、俺はまたしても助かっていた。 手足もちゃんとついているし、明日の朝日も見れるだろう。 「次郎さん……でしたか? すいやせんでした。どうか堪忍して下せえ」 「もう……本当に良かったですよう……」 捕まったら確実に閻魔に逢うことになると悟った俺は、途中で未来の方へ向かって方向転換をした。 当然、男も追いかけてくるが、未来がすれ違い様に男に抱きついて止めてくれた。 それから暴走する男を宥め、事情を説明し、そして。 「それンしても、黒龍のドブ鼠共……ど汚ねえ真似しやがるっ」 「ほんとに……。次郎くんのおかげで助かりました」 「はあっ、はあっ……」 今に至っている。
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