2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「ちらほら動き出してるってえことは……。あまり善いことじゃありやせん。何か面白くもねえってことをしようってえことです。俺は連中の1人の後を付けたンですが、途中で捲かれてしまいやして……」 そこまで言って飯塚さんは悔しそうに拳をグッと握りしめた。 「まさか、お嬢が狙いだとは思いもしなかった……畜生ども!」 「あはは……。私なら大丈夫ですから。ちょっと怖かったけど、次郎くんのおかげで元気に帰ってこれましたし」 ですよね?と付け加えて、何故か嬉しそうに未来は俺の方を見つめた。 「次郎さん。改めてお礼を言わして下さい。お嬢を守って頂き、本当に有難うございやした」 飯塚さんは、俺に向かって深く頭を下げる。 年上の、しかもヤクザで厳つい男が俺に対して、敬語でお礼を言っているという状況に、俺は少し狼狽してしまう。
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