2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「はは……。別に大したことじゃありません……」 「そんなことないですっ」 「そンなことはねえっ」 さすがは未来が言うところの家族。見事なハモりだった。 「え、えっと……。それよりも飯塚さん、少しお聞きしたいことがあるんですが」 俺は話題転換を狙うのと同時に、さきほどの飯塚さんの話を聞いた時に、気になっていたことを尋ねることにした。 「はい、なんでやしょう?」 ……参ったな。 未来が何故狙れたのかと訊きたかったのだが、本人いる前でそれを尋ねるのは。 「未来、俺ちょっと飯塚さんと男同士の話があるから先に家に入っていてくれないか?」 だから俺は代わりに、そう言った。
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