2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「えっと……。そ、そうなんですか……」 「ああ、悪いな」 「で、でも……」 俺の言葉に未来は戸惑っているようで、助けを求めるように飯塚さんの方にちらっと視線を移した。 「お嬢、すぐに次郎さんと一緒に参りやす。だから、かしらにいっときでも早く無事な顔を見せてやって下せえ」 飯塚さんは俺の雰囲気を感じとってくれたのだろう。 「そ、そうですか……。分かりました。じゃあなるべく早く来て下さいね」 未来はしぶしぶだったが、そう言って頷くと、門から家の敷地内に入って行った。
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