2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「ふぅ……」 俺は息ゆっくりと息を吐き出した。 「……話というのは、お嬢には聞かせたくないたぐいの話でやすね?」 「察しがよくて助かりますね…ありがとうございます」 「いえ、これでも組のまとめ役を勤めさせて戴いている身で」 俺はもう1度息を吸い、それから飯塚さんを見据えて話はじめた。 「単刀直入に聞きます。未来が誘拐されかけたのは何が狙いだったと思いますか?」 「旦那、それは……」 「俺も彼女の話を聞きました。単なる推測ですが、黒龍会が未来を狙ったのは突発的なことではなく、計画的なことだったと思います」 俺はそこまで一気に話す。 「……」 飯塚さんは黙って何かを考えているようだった。俺は話を続ける。 「誘拐が前々から計画的なものだったと仮定した場合、未来を誘拐することは計画の第一段階に過ぎない……。つまり誘拐が成功した後に真の狙いがある、ということになります」
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