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「さすがはお嬢の見込んだ方だ。侠気があるだけじゃあなく頭も切れるときたもンだ……』
飯塚さんはそう言ってふっと笑ってから、また難しい顔に戻った。
「難儀なことになっちまったな……」
「……すみません」
「いえ、旦那が謝ることは何もありやしません。ただね……」
飯塚さんは俺を見据えた。
鋭い眼光。まるで刃物だ。
射ぬかれるような視線とはこのような状態を指す言葉なのだろう。
「旦那には本当に感謝しておりやす。だがこれはあくまであっしら極道の問題……。堅気の旦那が首を突っ込めば、間違いなく火の粉が掛かる」
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