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「旦那はお嬢の大事な恩人だ……。そんな人にわざわざ危ねえ橋を渡らせるわけにはいかねえんです」
飯塚さんはそう辛そうに話す。
「俺が知っていることを話してしまえば、否応なく旦那も黒龍の奴らに目を付けられることになる。それを分かっていながら、話すことはあっしには出来やせん」
話終えると、飯塚さんはすいやせんと俺に謝った。
「……そうですか。お心遣い感謝します」
確かに飯塚さんの言う通りだった。
先ほどの一件で俺はもう黒龍会に目を付けられてしまっている。
今回は運が良かったものの、拳銃を街中でぶっ放すような連中だ。
これ以上首を突っ込んだ場合、ひとつ間違えば今度こそ俺の体は風通しが良くなり、海で魚の餌にされるだろう。
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