2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「はぁ……。甘いと思いますよ飯塚さん……」 「ははっ、そいつは違いねえ。ウチのもんはみなお嬢には甘くなってしまうんでさ」 「え、えーっと……?」 「飯塚さんに感謝しておけよ。やれやれ……」 俺はため息をつく。 「大方お嬢は、旦那がお帰りになってしまうか恐々だったんでやしょうよ」 「い、飯塚さん! なに言ってるんですかっ!」 「あははっ、堪忍してくだせえお嬢」 自分の心情を書いた紙を両手で持っているような。分かりやすいくらい露骨な動揺する奴だ。
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