2章 引きこもりと未来と大桜一家

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しかし、俺はそんな彼女の様子を見てなんとなく飯塚さんが言っていた、未来には甘くなってしまうという台詞の意味が分かったような気がした。 「ささっ、いい加減立ち話も終いに致しやしょう」 そう言って飯塚さんは先に歩いて玄関の方へ向かって行ってしまった。 「さて、俺達も行くか」 「あのっ、次郎くん……」 「うん?」 「本当にそんなわけじゃないですからねっ、間に受けないで下さい……です」 「はいはい……。わかりやしたよっと。帰ったりしねえからさっさと行こうぜ? お嬢?」 「や、やっぱり間に受けてるんですねー……』 本当に分かりやすい奴。 俺達は連れ立って玄関へ向かったのだった。
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