1章 引きこもりと女の子と抗争

59/64
前へ
/1398ページ
次へ
女の子はしばらくすみませんすみませんと言って泣き続けた。 頭でも撫でて、気の利いた台詞でも言えれば良かったんだろうけど、 あいにくとその時の俺にはそんなこと考えつけるわけもなく……。 泣いている彼女を前にオロオロと挙動不審になるしか無かった。 安心しちゃって……か。 笑ってはいたが、やはり女の子だ。張りつめていた部分があったのだろう。 そうこうしてるうちに彼女は泣き止み、俺に向かってまたすみませんと謝った。 「えっと……それじゃ、行くか」 「はいっ!」
/1398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44012人が本棚に入れています
本棚に追加