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「ふふっ、次郎くん」
「……なんだよ」
「いえっ、呼んでみただけです」
まるで新参者のカップルのような会話だ。
呼び方を決めてからというもの、未来はこっちが引くくらいにご機嫌だった。
こいつ、さっき自分が暴力団に拉致されそうになったこと完璧に忘れてやがるな。
「あの、次郎くん」
「今度はなんだ……木星人でも見つけたか?」
「違います。あの変なこと訊いちゃいますけど……私達ってその、友達……ですよね?」
未来はそう少し不安げに尋ねてきた。
「まあ、他人では無いよな」
俺は少し皮肉ってそう言ったが、未来はそれに気付いたのか気付いていないのか、満足そうだった。
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