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「それで……買い物袋は消えていたと……」
「……」
公園に走って戻った俺だったが、買い物袋を置いたはずのベンチにはなぜかそれは無く。
「それを探してるうちに財布も落としてしまったと……」
そういうことだった。
「参った……財布ん中には全財産入ってたんだよ、お袋が帰ってくるまでどうやって生きりゃいいんだ……」
「え? どういうことですか?」
俺は未来に簡単に今日の経緯を説明する。
「そうだったんですか、ごめんなさい私のせいで……」
言いながら、未来はしょんぼりと肩を落とした。
「いやいや、未来のせいじゃないだろ。頼むから気にすんな。心配ねえ、家には乾燥わかめとか椎茸とかあったし……。いざとなったらそれを食って……」
「次郎くん怪我してるんです。そんなもの食べさせるわけにはいきませんっ」
「そうだっ、今日は家で食べていって下さいっ」
未来はしばらく考え込んでいたようだが、そう飛びっきりの笑顔で言ってくれた。
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